2004年度 第2回 地域研究センター 国際シンポジウム「地域の力と政策の融合を求めて―産業創造のスタイルブック―」

REPORT 活動報告

2004年度 第2回 地域研究センター 国際シンポジウム「地域の力と政策の融合を求めて―産業創造のスタイルブック―」

2004.12.17~18 海外から4人の地域産業・地域振興に関する専門家を招き活発な議論が行われました。

2004 年度は、「地域の力と政策の融合を求めて―産業創造のスタイルブック―」と題し2日間にわたりシンポジウムを実施し、180 名を超える参加者を集めた。

 海外から4人の地域産業・地域振興に関する専門家として、オリビエ・クレヴォワジェ助教授(スイス・ヌーシャテル大学)、マッツ・ローゼン氏(スウェーデン・カルマール県地域コーディネータ)、ガービー・デイ・オッタ-ティ教授(イタリア・フィレンツェ大学)、レナート・ガッリアーノ博士(イタリア・北ミラノ産業支援公社事務局長、ベルギー・EURADA 副事務局長)、日本人のゲスト廣田正典氏(国土交通省国土計画企画官)を招き、各国の実情と政策の報告を受け、地域のインキュベーション支援のあり方、地域産業育成に必要な人材などの資源の確保、自治体・公的機関・大学の役割、住民や地域コミュニティとの関係などについて活発な議論が行われた。

 ヨーロッパには中山間地や過疎地域でさえ、世界市場で競争力のある地域産業を育成し、豊かな生活水準を享受している事例が紹介され、ハンディキャップを背負った地域における産業育成をいかに進めるかが議論の焦点となった。中山間地域における産業集積では先駆的な実績を持つスイス、そして小都市や都市から離れた地域に活発な産業活動がみられるイタリア等の事例は、日本の地方都市にとって参考となるものであった。

 中小企業が世界のトップシェアを獲得し、中小企業が密接なネットワークを構築する事例については、日本では諏訪の産業集積も議論された。特に、産業集積の事例に関して、ヌーシャテル大学のクレヴォワジェ助教授によれば「単に産業を誘致するような場所を作って、企業を集めたところでそれは意味がない」と指摘していた。

 それぞれの企業が自分の強みや弱みを知り、補完し合える有機的な結びつきを見出せるような仕組みをコーディネートするのが政策の役割であるとし、これを「ミリュー」という概念で紹介した。EU の地域振興政策や地域産業のコーディネートを担っている実務家の報告もされた。

 その後、テーマに即した、パネル・ディスカッションが行われ、地域による政策と参加の違いなどが長時間にわたって議論される有意義なシンポジウムであった。海外からのパネリストも議論の水準に満足していた。